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2015-03-22(Sun)

あれから20年。松本死刑囚の娘2人の唐突な登場。

オウム真理教教祖の麻原彰晃の三女が手記出版で心境を告白 - ライブドアニュース
「父をいまでも愛している」オウム麻原死刑囚の「三女」が語った複雑な思い|弁護士ドットコムニュース
三女アーチャリーが初出版 麻原ファミリーの秘密 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
地下鉄サリン事件20年 松本死刑囚の四女に話を聞きました。(www.fnn-news.com)


日付が二度変わってしまったが、一昨日3月20日はあの地下鉄サリン事件から20年目の日だった。事件当日の朝、職場で、“日比谷線で事故があったみたい・・”という話がどこからともなく流れてきた。それも結構大きな事故らしいという、まだその程度の情報だった。その後、出張先で、コトの重大さを知った。会社内や知り合いに被害者がいたわけでもなかったが、ワタシを含め、当時都内に通勤していた人々にとっては、誰もが被害者になり得たという未曾有の事件に恐怖を感じた。今でもよく覚えている。

災害、事件、事故・・・いずれの場合でも、被害者、遺族にとっては20年目などという時の節目など関係ないハズである。今現在も当時となんら変わらず、むしろ心身共に悪化している被害者もいるのが現実である。事件から十数年経ってから初めて自分が被害者だと気付かされる人さえいる。20年という月日が経過しながら、未だになんら総括されていない事件が他にあるだろうか。何とも知れない気味悪さというか、フィクションが追いつけない現実の闇というか病みというか、誰しもが感じるところではないだろうか。特集番組を見ていると、まるでついこの間、数日前、数週間前に起きた事件かのような印象さえ受ける。

前置きが長くなったが、タイトルの話。事件から20年目というタイミングで松本死刑囚の三女と四女が唐突にメディアに出て来ている。取材する側とされる側の利害が一致する絶妙なタイミングでもある。事件当時11歳だった三女と5歳だった四女。この年齢差はあまり注目されていないようだが、完全に対立している両者の話を聞く上で、結構重要な部分でもある。

三女には当時の記憶が残されている。それも肥大化した愛しい父親像のままである。インタビューを読む限り、事件にまるで向き合ってない、そんな印象を受ける。“父がすべての主犯であり、すべての指示をしていたとはどうしても思えないのです・・・・村井さんや井上さんたちが、父に真実を報告し、また父の指示をそのまま伝えていたとは信じられないところがあるからです・・・わたしは、父が事件に関与したのかについて、今でも自分の中で保留し続けています・・・・父が弟子たちと主張が食い違ったまま病気になり、何も語ることはできなくなりました・・・わたしは今後も判断を保留し続けるでしょう”といった主張は、あまりにも無責任であり、今もなお苦しみ続けている被害者の心情を思えば到底許されるものではない。これを“犯罪に加担していたワケでもない娘には何の罪もないし、ある意味では被害者でもあり、娘として極当たり前の正直な気持ちを吐露したに過ぎない”という向きもあるだろう。恐らく出版社のスタンスはそんなところに違いない。

ちょっと待てよ、と。

確かに娘は犯罪者でもないし、死刑囚になったとは言え、松本という男は血の繋がった父親であることには間違いはない。子供の頃の良き父親の記憶を紐解くのも勝手にすればいい。がしかしである。麻原 彰晃こと松本 智津夫という男は、数千人の被害者を出した地下鉄サリン事件における確定死刑囚なのである。信じられない、信じたくないと思うのは勝手だが、身内の一人として、責任の重さを感じ、それを当たり前に謝罪という姿勢で示せないものか・・・と思うのである。この期に及んで、当時の部下たちへの不信感を語り、父親への哀れみを求めるのは、果たしてマトモな行為と言えるだろか。いや、マトモじゃないからこのタイミングで手記なんて出してるんだとは思うが。あと、出版する側の感覚もどうかしてるな~、と。

被害者感情を考慮すれば出版に議論があるかもしれません。ですが松本氏の貴重な証言や本音が吐露されているのは間違いない

ハァ~~??娘が語る美化された父親像を、今、世に知らしめる意味、意義って何なんだ??

まぁ、ビジネスである。彼らはこうして娘や本が話題にさえなればいいだけの話だ。賛否両論、炎上、大歓迎といったところだろう。全てが売り上げに直結する。しかし、それ、あまりにもえげつなくないか?出版界ってそんなもんなのか?

一方四女は、父親に対しては辛辣だ。“・・・父の声で、ちゃんと謝罪をしてほしい・・・自分がやったことから目をそらして、情けない父親・・・”と言い、また自分が“人殺し、テロリストの娘という立場”にあることを認めている。姉である三女に対しても、“彼女は被害者に謝罪をしていない”、そして本の内容についても“よくここまで、うそがつけるなっていうぐらい、でたらめ”とまで言っている。どちらが正しくてどちらが間違っているというのをワタシたちが結論づける話ではない。前述した通り、まず、ふたりの年齢差を踏まえておく必要はある。11歳の記憶と5歳の記憶。事件、そしてその後の強制捜査等々リアルタイムな記憶として残っている三女と違い、当時5歳だった四女にとっては、三女が激動の体験をした11歳までにはまだ6年がある。事件から6年経過した頃というのは、オウムという集団の真相も含め、事件の全貌が明らかになりつつあった頃でもある。加害者の身内であるという立場にありながらも、あらゆる情報に客観性を持って接することが出来ていたハズだ。客観性を持ち得たかどうか。残念ながら三女にはそれが欠けていた。今もなお欠けたままである。両者の大きな違いがそこにある。

もちろん、四女の発言というのも、生きて行く上での術という側面もあるハズだ。犯罪者の娘というレッテルにいい加減疲れたというのもあるだろう。ただ、本心はともかく、例えそれがポーズであるとしても、事件に向き合う真摯な姿勢を示すことにデメリットはない。常識的であり、人として極当たり前なことでもある。加害者がよく使う裁判対策としての“反省の弁”とは立場も意味合いも違う。むしろ彼女にとっては、三女との明確な対立軸を打ち出すことのほうに意味があるのだろう。まぁそうなってくると、もうどこかの家具屋のようなお家騒動的な話になってくるので、芸能ネタと横並びでいいレベルの話(笑)。ただ、今もなお息づく後継団体の行方に、どのような影響を及ぼすのか、それは注視していく必要はある。

それにしても、三女のインタビュー、そしてそれで稼ぐ出版社。不愉快さを通り越して怒りすら覚える。


余談だが、確定死刑囚の人数が2月の時点で130名とのことである。約90名が再審請求中らしいが、にしても多過ぎるだろ、と。行列の出来るナントカじゃないんだから・・・法務大臣は粛々と職責を果たせよ、とは思う。忙しいのやら暇なのやら・・・。
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